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歪み

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「歪み」について、DJ用語の意味などを解説


歪み DJ用語

歪みとは、ミキサーの適正入力を超えた入力音量や、アンプの性能の限界付近まで音量をあげた場合や、極端にイコライザー等で低音を出しすぎた場合などで音が割れてハッキリしない音になること。そのまま長時間鳴らし続けるとアンプやスピーカーにダメージを与えてしまう。
また、カセットテープ等のアナログ機器に録音する場合でも過大入力で録音するとこのような現象が起きる。
なお、MD、DAT等のデジタル機器の場合は、過大入力すると音が飛びとびになったデジタルノイズとなる。

歪みは単なる音質の劣化にとどまらず、機器の状態や録音・再生の特性を大きく左右する現象である。アナログ機器の場合、入力レベルが適正範囲を超えると波形がクリップされ、本来の滑らかな波形が平坦に削られるような形となる。

これが音の「割れ」として知覚されるものであり、温かみを感じさせる軽度の歪みであればロックやブルースなどでは意図的に利用されることもあるが、制御不能な歪みは聴感上の疲労や音楽性の損失を招くのである。

一方、デジタル録音機器における歪みは、アナログ機器のように徐々に発生するのではなく、0と1の境界を超えてしまうことで突発的に破綻する。

これは「デジタルクリッピング」と呼ばれ、アナログ的な音割れではなく不連続なデジタルノイズとして顕著に現れる。結果として音楽の流れが途切れたり、耳障りなクリック音が生じたりするため、録音時のレベル管理には一層の注意が必要となる。

したがって、歪みを避けるためには、入力レベルを常に適正範囲に収めること、過度なイコライジングを避けること、そして機材ごとの許容範囲を理解することが重要である。特に長時間の大音量再生はスピーカーのボイスコイルやアンプ回路に熱的負荷を与え、機材の寿命を縮める原因となる。歪みとは単なる音割れの現象ではなく、音楽再生や録音の質、さらには機材の保全に直結する重大な要素であるといえる。

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「歪みとは」DJ用語としての「歪み」の意味などを解説