マスターフェーダー
「マスターフェーダー」について、DJ用語の意味などを解説

マスターフェーダーとは、各入力された音を調整したあとの 外部へ出力するための最終的な音量調節のボリューム。マスターフェーダーとは、ミキサーに搭載されている最終段のフェーダーであり、各チャンネルからの入力信号をミックスした後の出力全体の音量をコントロールする役割を担うものである。クラブ用のDJミキサーやレコーディング用のミキシングコンソールに必ず搭載されており、最終的にPAシステムやアンプ、録音機材へ送られる音量を一括して調整できる。
つまり、マスターフェーダーはミックスの全体的なラウドネスを決定づける重要なコントロールポイントであるといえる。
DJの現場においては、マスターフェーダーはフロア全体に響く音圧を管理するために欠かせない。クラブ環境では楽曲ごとに録音時の音量やマスタリングの傾向が異なることが多く、そのまま流すとフロアの音圧が急激に上下してしまう。
そこでDJはマスターフェーダーとゲイン調整を組み合わせ、一定の音圧感を維持しながらスムーズな選曲を展開する。特に、観客がダンスフロアで一体感を感じるためには音圧の安定が不可欠であり、マスターフェーダーの操作はその中心的な役割を果たす。
また、マスターフェーダーはPAシステムやスピーカーに過大な信号を送らないための安全装置的な機能も持つ。過度にフェーダーを上げすぎると歪みやクリッピングが発生し、音質が劣化するだけでなく機材にも負荷がかかるため、常にレベルメーターと併用して適正な位置を保つことが求められる。
「マスターフェーダーとは」DJ用語としての「マスターフェーダー」の意味などを解説