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レイヴ

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「レイヴ」について、DJ用語の意味などを解説


レイヴ DJ用語

レイヴとは、野外、大会場等で行われる大規模なパーティーのこと。rave。
屋外や特別な会場で行われるイベントであることが多く、1回限りや年1回、数年に1回に開催されるものを指す。レイヴとは、クラブや小規模な箱を飛び出し、野外や巨大な特設会場などで開催される大規模なパーティーを指す。語源は英語の「rave」であり、熱狂や興奮を意味する。その名の通り、レイヴは一晩限りの異世界的体験を創出することを目的とし、通常のクラブイベントよりも規模・時間・演出において拡張された形態を取るのが特徴である。屋外フェスティバルや倉庫を転用した違法パーティーなども含まれ開催形態は多岐にわたる。

レイヴ文化が本格的に広まったのは1980年代後半から1990年代初頭、イギリスのアシッドハウス・ムーブメントと密接に関係している。当時、クラブシーンの枠組みに収まりきらない熱量が、郊外の空き地や倉庫を舞台にした大規模パーティーを生み出し、ここで初めて「レイヴ」という言葉が定着した。参加者は数千人規模に及び、朝まで続くノンストップのダンスミュージックが流される。ハウス、テクノ、トランスといったジャンルが、レイヴを通じて一気に拡散したことは音楽史的に極めて重要である。

レイヴはまた、クラブカルチャーにおける「非日常性」を極端に強調した場である。屋外で夜通し続くサウンドシステム、レーザーやプロジェクションを駆使したビジュアル、参加者全員が音楽に没入する祝祭的な空気。

こうした要素は、通常のクラブ空間では得られない解放感をもたらし、レイヴを「音楽を聴く場」から「集団的体験の場」へと押し上げている。

一方で、レイヴには常に規制や社会的な視線が伴ってきた。違法な開催や薬物使用との関連性が取り沙汰され、90年代にはイギリスで「クリミナル・ジャスティス法」が制定されレイヴ文化を取り締まる動きが強まった。

しかし、これに対抗するかのように合法的な大型フェスティバルへと移行し、今日のEDMフェスやテクノフェスの原型となった。つまりレイヴは、規制と反発、アンダーグラウンドとメインストリームのせめぎ合いの中で進化してきたのである。

現在のレイヴは必ずしも違法性を帯びてはいない。オフィシャルに開催される野外フェスティバルも、クラブ文化の延長として「レイヴ」と呼ばれることがある。ただしそこには今なお、レイヴ本来の「一回性」や「非日常性」を重視する精神が色濃く残っている。

1年に一度、あるいは数年に一度しか開催されない特別な体験としてのレイヴは、参加者に強烈な記憶を刻み、その後の音楽活動やシーンの方向性に影響を与え続ける。

レジデントDJが築く日常のクラブ文脈に対し、レイヴは非日常の爆発的なピークを象徴する。だからこそレイヴは今なお多くの人々を惹きつけ、クラブカルチャーの祝祭的象徴として存在し続けている。

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「レイヴとは」DJ用語としての「レイヴ」の意味などを解説