ラインアンプ
「ラインアンプ」について、DJ用語の意味などを解説
ラインアンプとは、LINE出力の機器で出力電圧(レベル)の小さい機器(音が小さい)を適正な出力電圧に上昇させる機器。ラインアンプとは、ラインレベル信号を適正に増幅し、長距離伝送や複雑なシステム内でも音質劣化を最小限に抑えるためのアンプである。クラブやスタジオといったプロフェッショナルな現場においては、オーディオ信号が複数の機材を経由し、さらに長いケーブルを通ってPAシステムへと送られることが多いため、信号レベルの維持が極めて重要になる。ラインアンプはそのための補償装置として機能し、不要なノイズやレベルダウンを防ぐ役割を果たしているのである。
DJにおいても、ラインアンプは見えないところで大きな働きをしている。例えばクラブミキサーからPA卓までのケーブルが数十メートルに及ぶ場合、そのままでは信号が減衰し、音圧や解像度が失われる危険性がある。
ここにラインアンプを挟むことで、信号が力強く保たれ、フロアで求められる厚みのある低域や、繊細な高域の抜けが確保される。観客はアンプの存在を意識することはないが、その裏で音響を支える縁の下の力持ちなのである。
また、DJがライブセット的にシンセサイザーやドラムマシンを持ち込み、外部入力として加える場合にもラインアンプが必要となる場面がある。
これらの機材の出力レベルはまちまちであり、クラブミキサーのライン入力と必ずしも最適に噛み合うとは限らない。その際、ラインアンプを介して適正なレベルに整えることで、他のデッキからの音とのバランスが保たれ、ミックスが破綻するのを防ぐのである。
さらに、アナログ盤を用いたプレイや、外部エフェクターを組み込む場合にも、信号経路の途中でレベルを補正する意味でラインアンプが活用される。
クラブにおける大音量再生環境では、小さなレベル差が大きな聴感上の差異となって現れるため、ラインアンプの存在は極めて重要である。
「ラインアンプとは」DJ用語としての「ラインアンプ」の意味などを解説