マスタリング
「マスタリング」について、DJ用語の意味などを解説
マスタリングとは、アーティストやバンド等がスタジオなどでCDやレコードなどの元になる音を録音または編集する作業。
完成した楽曲をパッケージにするために各曲の音質や音圧を整え均一化する作業。
マスタリングとは、録音やミックスダウンを経て完成した楽曲を最終的に作品としてリスナーに届けるために不可欠な工程であり、音楽制作の仕上げとも呼ばれる作業である。具体的には、アルバムやEP全体を通して聴いたときに曲ごとの音量差や音質の不均一さがなくなるよう調整を行い、さらに再生する環境が異なっても一定のクオリティで音が響くように最適化することが目的である。
たとえば、クラブの大音量スピーカーで再生した際に低音が過剰に膨らんでしまう、あるいは家庭用の小型スピーカーで高音が刺さるように聴こえてしまうといった問題をマスタリング段階で補正する。
また、マスタリングは単に音量を揃えるだけではなく、作品全体の流れを作る役割も担う。特にアルバム制作においては、曲順に沿って楽曲間のつながりや曲間の無音部分の長さを調整し、リスナーに自然な没入感を与える。
DJやクラブシーンでは、この曲間処理が特に重要であり、楽曲のイントロやアウトロが意図通りに響くかどうかは現場でのプレイアビリティに直結する。
さらに、近年のマスタリングでは「ラウドネス規格」への対応も不可欠となっている。ストリーミングサービスや配信プラットフォームごとに推奨される音量基準が存在し、それを無視すると音が小さく再生される、あるいは歪んでしまう可能性がある。
そのため、CD時代に主流だった極端に音圧を上げる「ラウドネスウォー」的なアプローチから、よりダイナミクスを生かしつつも基準を満たすバランス重視のマスタリングが一般的になっている。
「マスタリングとは」DJ用語としての「マスタリング」の意味などを解説