プッシュイン
「プッシュイン」について、DJ用語の意味などを解説

プッシュインとは、ドラムのビートが抜けている部分等で音をかぶせていくこと。DJプレイやミキシングにおいてフェーダーやノブを操作し、徐々に音量やエフェクトのかかり具合を増やして音を導入する手法である。単純に音をオンにするのではなく、聴覚的に自然な形で曲を重ねるためのテクニックとして用いられる。特にミックスやブレンドの際には、相手の曲のリズムや音圧に合わせてプッシュインすることで、音が唐突に入り込む違和感を避けることができるのである。
プッシュインはクロスフェーダーやチャンネルフェーダーを使って段階的に音を増幅することが多く、フェーダーのカーブ特性や操作速度によって表現の幅が変わる。スクラッチやハードスタイルのプレイでは素早く行うこともあるが、ハウスやテクノのロングミックスではゆっくりと丁寧にプッシュインすることで、曲同士が滑らかに融合することが求められる。
また、プッシュインは音量だけでなく、EQやフィルター、エフェクトと組み合わせることで、音の入り方をさらに自然かつドラマチックに演出できる。ベースやキックを少しずつ増やし、ハイハットやシンセの音を重ねることで、フロア全体のダイナミクスをコントロールすることが可能である。この手法はDJにとって曲の構築力や場のコントロール能力を示す重要なスキルである。
「プッシュインとは」DJ用語としての「プッシュイン」の意味などを解説